●私どもの額
▼匠の技が息づく伝統工房
やわらかな光と木の香りに包まれた工房で、モクモクと仕事に打ち込む職人。時より目を細め、指先で仕上がりを確認する。すべての工程でいくどとなく繰り返される手仕事の極みです。蓄えた知識と経験、受け継がれてきた伝統の技、そして手仕事へのこだわり。そのすべてが一枚の額縁に結実します。

 

〜皇室ゆかりの伊勢神宮「神領民」の職人が一枚一枚丹精込めてつくりあげた、輝かしい栄誉と意義にふさわしい額縁〜

▼伊勢神宮の御用材「木曽檜」
工房は皇室とゆかりの深い伊勢神宮の近くにあり、職人は神宮領地の住民「神領民」の誇りを持って、額縁づくりに励んでいます。伊勢神宮では二十年に一度の大祭「式年遷宮」が行われ、社殿の全てを造り替えて神座を遷し、装束や神宝なども新調します。造り替えの御用材には「木曽檜」が使われます。日本の代表的な高級材である檜の中でも特に美しく、耐久性に優れたものが用いられます。当社の製品にも同じ材を使用したものがあり、長年の掲額にも色褪せることはありません。

 


▼額縁のいのち「塗り」
額縁の命ともいうべき「塗り」。「勲記・勲章」「章記・褒章」を収めるにふさわしい重厚感と気品は、手仕事でしか生みだすことができません。塗りは「木」本来のぬくもりと質感を引き出す「ウレタン樹脂塗装」。塗面は美しい光沢と硬い保護膜で覆われ、変色や劣化しにくい耐久性・耐摩耗性を備えています。職人は下地処理、下塗り、研磨、上塗りとさまざまな工程を重ね、中でも研磨の手仕事にこだわります。丹念に磨き込むことで鏡のような表面をつくり、その上に本塗装を重ねる。手間隙かけた分、滑らかで美しい色艶の額縁に仕上がります。

 


▼確かな品質を誇る部材
額装用化粧台の裂地には、額縁の材に合わせた伝統的な文様の緞子(どんす)を使用します。特に絹糸うぃ一本一本紡いだ「正絹」の緞子は気品と格調にあふれ、高級和額ならではの趣が、受章の栄誉をいっそう引き立てます。
勲章・褒章の額装には、特殊素材を吹き付けた植毛スポンジを敷き、勲章・褒章の重みを均等に吸収してズレやキズを防ぎます。この素材は、高級車の内装にも使われています。さらに、国家栄典の象徴ともいえる「菊の御紋」はダイキャスト製品です。高い寸法精度を誇る金型鋳造により、直径約70cmの肉厚で重厚感にあふれた菊紋が、受章の意義の深さを醸し出します。

▼妥協のない手仕事
本物とはなにか。手仕事だからこそ、見えない部分にも妥協しません。例えば額縁の内側は、裏板をはめれば隠れてしまいますが、塗りへのこだわりも同じ。幾つもの工程を重ね、丹念に研磨して塗りを施す手仕事の技が生きています。
また、裏板には反りや節目のない特選ベニアを使用。補強用のサンは四辺の端までしっかりと組み上げ、高級木材の檜を惜しげもなく使用しています。

 


▼堅牢な額縁づくりの技法
国家の栄典による輝かしい栄誉をいつまでも―。そのために額縁には堅牢さが求められます。 当社の額縁は、原木の天然乾燥から始まります。1~3年をかけてゆっくり乾燥させると、傷みが少なく粘りのある強い材になり、色や艶も美しくなります。 十分に乾燥させた材を小割にして寸法に合わせて切り揃えます。中でも気を使うのは四辺接合。額縁の四隅を隙間なく密着させる工程です。自社で開発した専用機を使い精密に加工します。接合には釘を使わず、伝統的な「挽き込み留め継ぎ」技法を用います。接合部に挽いた溝に千切り(ちぎり)と呼ばれる薄板を埋めて頑丈にし、その枚数を増やすことで強度を高めていきます。 伝統技法を生かした額縁は堅牢なだけでなく、工芸品のような気品と美しさも備えています。

▼受章の意義に相応しい額縁
天皇陛下から授与される「勲記・勲章」「章記・褒章」は、皆様が生涯をかけて歩まれたご功績、ご功労を称えた証そのものです。その大切な賜物をお守りするべく、当社は三十余年に渡り、ご受章された皆様のお役に立ってまいりました。国家栄典による輝かしい栄誉と、ご受章の意義にふさわしい本物の額縁。その一枚を求めてつくりあげた当社の額縁で、どうぞ末永くご顕彰ください。

 


 


■私どもの額の特徴


▼かんざし止め枠
厳選された材料を天然乾燥させ、製作していますので狂いが生じません。四辺接合後千切り板3枚で止めています。千切り加工が多いほど堅牢に仕上がります。

 


▼塗 装
下塗り•上塗りともウレタン塗装を使っており皮膜が強く傷がつきにくい上、紫外線にも強く変色がおこりにくいです。また、生地の表面をきめ細かくペーパーで磨きをかけておりますので、ガラス面のようになめらかです。

 


▼勲章飾り部分
植毛したスポンジの上に70mmのダイキャスト菊紋を取り付けています。植毛のスポンジは勲章の厚みを均等に吸収するため綺麗に納められます。また、勲章が上下にずれることもありません。

 


▼マット ❶
マットを固定させるサンには主に桧材を使用しています。特性は柔らかく光沢があり緻密で少々の弾力性があり、割れや欠けに強く狂いも少ない素材です。裏面にも仕上げ紙を貼ってある為、見た目も綺麗です。

 


▼マット ❷
サン外枠を桧材で四辺に接合しております。また、その内側にも桧材を別に井桁状に組み、交差する木材部分に切り込みを設けて組み立てている為に歪みが生じることはありません。

 


▼裏 板
表は、グリーン色の和紙を貼り、裏面も白紙を張っている為、見た目が綺麗です。Aランクのベニヤ板を使用している為、歪みがほとんどありません。


■堅牢額の製作工程

❶ 乾燥
丸太を板状に割っていき、天日干しをして自然乾燥させます。桜材で約半年、チーク材で約1年、紫檀材は約3年乾燥させます。この乾燥が不十分だと後で縁に歪みがでたりします。

 


❷ 小割
乾燥できた板を縁の巾に小割します。

 


❸ 寸法切
小割した材料を縁の長手、短手のサイズに寸法切りします。このときに大きな節や木の反った部分などを取り除く作業もします。

 


❹ 削り
モルダー(4面7軸機)の機械を通して縁の形に削ります。

 


❺ 裁断・木の目、色揃え
モルダーで削られた縁をサイズ別に45度に裁断します。木には1本の木でも赤い部分、白い部分があるので長手短手の縁の部分の色を揃えたり、木の目を合わせたりする作業をします。

 


❻ 溝切・千切入
ゴム組をした縁の角を溝切りして、千切りを入れます。私共では通常の額で3枚、紫檀額では4枚千切りを入れます。

 


❼ 千切切り・横サンダー
千切りのはみ出た部分を落とし、横サンダーを掛けます。

 


❽ 木地磨き・仕上げ
木地縁としての最後の仕上げを手作業で行います。この作業によって最終的な形が決まります。

 


❾木地仕上げの検品と色合わせ塗
木地仕上げした縁を傷や磨きムラ、留め切れが無いか点検修正します。その後、縁に色ムラが無いよう塗料を塗って色を均一にします。

 


❿ 下塗り
シーラーを下塗りします。シーラーとは主に下地と上塗り塗料との接着剤の役割りと、上塗り塗料の吸い込みムラを抑える役割をします。

 


⓫ 磨き・検品
下塗りをした縁をペーパーで磨きます。この工程が特に重要で、ここでの磨き残しがあると上塗りした時にムラになります。磨いた後、1枚1枚検品をして上塗りに回します。

 


⓬ 上塗り
磨いて検品した縁を上塗りします。色の調整も行います。上塗りした縁は1日以上乾燥させます。

 


⓭ 検品・金具付け
塗装から出来上がってきた縁を検品して金具を付けます。

 


⓮ マット部分の製作
マット部分のベニヤは、トムソンで中抜きして窓を開けます。サンを高周波で組みます。

 


⓯ 布貼り
ベニヤに布を張り、面金•サンを取り付けます。

 


⓰ 最終仕上げ
縁にアクリル、山台、マット、裏板等をセットしたら、額の完成となります。

■材質

▼桜材
伝統的な樹木である桜は、重硬で強靭な木質を持ち、木肌は緻密性があります。そのため乾燥によるねじれも少なく加工性と着色性に優れています。古くから高級家具や建築材に用いられています。

 


▼チーク材
硬い材質で、耐久・防水・防虫性に優れています。天然の油成分による滑らかな感触で肌触りがよく、涸沢もあります。乾燥後の寸法安定に優れ、加工性も高い最高級材の一つとして定評があります。

 


▼木曽檜
日本の代表的な木材として知られる檜材は、耐久性があることから伊勢神宮をはじめとして多くの神社・仏閣で使用されています。時間経過と共に強度を増す特性を持っています。

 


▼紫檀材
「木頭之王」(木材の王)と称され、「唐木」の中でも最高級の銘木。百年の歳月を経て成木となり、その僅か一割が原料として使用できます。耐朽性に優れ、美しい仕上がりは重厚で気品があります。

■緞子

▼桂川緞子
小ぶりな「牡丹」の花を唐草風にあしらった上品な柄が特徴です。金茶の糸を存分に使い、柔らかな手触り感が周りを一層引き立ててくれます。豪華さと気品を兼ね備えた緞子として定評があります。

 


▼徳光緞子
明治時代から続く織物の産地・福井市徳光町で生まれた緞子。「薔薇」の花をモチーフに、艶やかな金茶の縦糸と深い緑の横糸で織り上げています。柔らかな手触りと輝きは高級感に溢れています。

 


▼水雲緞子
「雲水」とも呼ばれ、水や雲の流れの如く、ゆったりとのびやかなイメージを表現した紋様です。若竹のような鮮やかな緑の縦糸と、金茶の横糸が織りなす気品に満ちた緞子として定評があります。

 


▼夷川緞子
八弁の「菊」と五弁の「桔梗」の小花に二重蔓(ふたえづる)の唐草をあしらった柄は、地味ながら味わい深い紋様です。京都・夷川の地名に由来する緞子として、古くから愛されています。

 


▼源氏緞子
天然素材の中で色合い、風合い共に最も出来の良い「正絹」を使用しており、三色に糸を用いふっくらした存在感のある二丁織りに仕上げ、雅の中に気品を兼ね備えた緞子です。

 


▼宇多野緞子
古くから中国で富の象徴とされる「牡丹」の花をめでたい吉祥であらわし、唐草と紗綾形を添えた紋様。縦に白茶色、横に紺色と茶色の「正絹」を使って織り上げた華やかで味わい深い緞子です。